理学部1、2回生で数学の進んだ内容に興味を持つ学生を対象に、数学吉田塾・連続講義を行います。
日 程 11月2日、9日、16日、30日 (全て火曜日)
時 間 18:15〜19:30
場 所 京都大学理学研究科3号館 110講義室
講 師 伊藤 哲史 (京都大学大学院理学研究科 数学・数理解析専攻 准教授)
対 象 理学部1、2回生で数学の進んだ内容に興味を持つ学生
講義の概要
方程式 y2 = x3 + ax + b (a,b は 4a3 + 27b2 ≠ 0 をみたす有理数)で定義された曲線を楕円曲線といいます.楕円曲線の有理点(座標が有理数の点)は,整数論における重要な研究対象です.フェルマー以来多くの数学者により深く研究されてきましたが,まだまだ未解決の問題も沢山あります.
y2 = x3 - x の有理点は (0,0), (1,0), (-1,0) の3個のみですが,y2 = x3 - 4 には (5,11), (106/9, 1090/27), (785/484, 5497/10648),...など無限個の有理点が存在します.この2つの楕円曲線は,一体何が違うのでしょうか?もっと一般の楕円曲線では,どういうことが成り立つのでしょうか?この講義では,具体例の計算を通して,楕円曲線の不思議な世界を紹介します.
予備知識は特に必要ありません.9月に行われた吉田塾・数学入門合宿で話せなかったことを中心に解説する予定ですので,数学入門合宿に参加された方も,そうでない方も,ふるってご参加ください.