第6回「計算機を用いた数学研究」GCOEセミナー (2010年7月23日〜24日)

第6回「計算機を用いた数学研究」GCOEセミナー『計算の品質』を下記の通り行います。

日 時:  7月23日(金)10:00〜18:00
7月24日(土)10:30〜16:30
場 所:  京都大学理学部3号館 110講演室
講 演:  藤原 宏志氏(京都大学情報学研究科)
  「多倍長計算・高精度計算による数値計算の拡がり」
  山本 野人氏(電気通信大学情報工学科)
  「常微分方程式の精度保証付き計算の理論と技法」
   
プログラム(PDF)

 


「多倍長計算・高精度計算による数値計算の拡がり」
藤原 宏志氏(京都大学情報学研究科)

概 要:
計算機の普及に伴い、研究・開発における数値的手法の利用が拡大している。また計算機の高性能化に支えられて、従来は数値的な取り扱いが困難とされていた問題に対しても様々なアプローチがなされている。例えば「不安定」な問題に対して、正則化・高精度な離散化・多倍長計算を組み合わせる高精度計算により、信頼性の高い数値計算を実現する枠組が整備されつつある。
講義は、数値計算の基本的な概念の解説から始める。幾つかの基本的な離散化やアルゴリズムを述べ、数値計算に特有の計算誤差に注意を与える。さらに、多倍長計算による高精度数値計算の適用例、工学・物理学分野への数値計算の適用例と課題を紹介する。

内 容:
1. 計算機での数値処理と基本的なアルゴリズム
2. 計算誤差と数値計算の信頼性
3. 高精度離散化と多倍長計算による高精度数値計算
4. 物理学・工学における高精度数値計算の利用例

参考文献:
一松信「数値解析」朝倉書店 1982
伊理正夫・藤野和建「数値計算の常識」共立出版 1985


「常微分方程式の精度保証付き計算の理論と技法」
山本 野人氏(電気通信大学情報工学科)

概 要:
常微分方程式、とくに初期値問題に関する精度保証付き数値計算法についての講義を行う。精度保証付き数値計算になじみのない聴講者を想定して、その概念・原理・適用分野・基本的な技法の解説からはじめる。さらに、常微分方程式初期値問題に対する代表的な精度保証手法であるLohner法を説明し、具体例に沿って計算手順を示す。また、数値例とともに、時間が許せば、数式処理ソフトを用いた精度保証プログラムの自動生成法についても触れたい。

内 容:
1. 精度保証付き数値計算の概要
2. 精度保証の基本的な技法
3. 常微分方程式初期値問題の精度保証と数値計算例

参考文献:
中尾充宏・山本野人「精度保証付き数値計算」日本評論社 1998
大石進一「精度保証付き数値計算」サイエンス社 2000