多様な人材育成プログラムの一環として、GCOE集中講義「生物の複雑制御ネットワークを数理的に解明する」を開講します。
この集中講義は2つの講義により行われ、評価はその2つを合わせたもので行う。
もう一つの講義は追って掲示をする。
日 程 | 2012年11月26日 (月)・27日 (火) いずれも午後3時から |
講義名 | 数学と自然科学・社会科学 I |
タイトル | 生物の複雑制御ネットワークを数理的に解明する Understanding dynamics of complex regulatory networks in biological systems |
講 師 | 望月 敦史氏(理化学研究所 基幹研究所) |
場 所 | 京都大学理学部3号館110講演室 |
生物学の発展の過程で、様々な生物現象を支配する重要な遺伝子が同定され、それらの間の制御関係が明らかにされてきた。近年では、生命機能には多くの遺伝子が関与し、それらの間の制御関係が、複雑なネットワークを形成していることが分かっている。これらの複雑なシステムが、分子活性の時間変動や空間パターンを作り出し、そのダイナミクスこそが生命機能の本質なのだと考えられている。しかし、制御ネットワークはシステムに含まれる変数間の依存関係だけを示しており、本来それだけではダイナミクスは決定できない。本講義ではネットワークの構造と、そこから作り出されるダイナミクスとの関係の解明に迫る、数理的研究を紹介する。二つのアプローチを紹介する予定であり、一つはあらゆるネットワークを考慮する確率論的方法、もう一つはグラフ理論と力学系理論における二つの概念を結び付ける新しい理論である。具体的な生物システムを対象として取り上げ、数理理論が生物学に対し実際に有用な結果をもたらすことを示したい。