GCOE集中講義「数学と自然科学・社会科学III」 (2010年2月8日〜10日)

多様な人材育成プログラムの一環として、GCOE集中講義「数学と自然科学・社会科学III」を開講します。

この集中講義は2つの講義により行われる。単位は今回の講義と、2009年10月26日〜28日に行われた合原教授による講義を合わせたもので評価を行う。

日 程  2月8日(月)13:00〜14:30
     2月9日(火)13:00〜14:30
     2月10日(水)13:00〜14:30

講義名     数学と自然科学・社会科学III
講 師     金子邦彦(東京大学大学院総合文化研究科)
場 所     京都大学理学研究科数学教室 108講義室
タイトル    「生命とは何か」を理解するための数理

アブストラクト

複製、適応、発生(分化)、進化といった生命システムの基本的性質を理解するために、階層間の整合性とその破れのダイナミクスに着目した研究を進めている。
具体的には
1) 細胞成長ダイナミクスとゆらぎ、適応
2) 細胞の分化多能性の力学系的理解
3) 表現型の可塑性と進化:力学系による力学系の選択過程としての進化
に関して、理論と実験から見出した普遍的な法則を述べる。関連して、大自由度力学系、カオス的遍歴、相互作用による分岐パラメタ選択、時間スケール干渉、ロバストな力学系の分布、といった理論的問題をとりあげ、どのような数学的理論が望まれるかをも議論したい。

  参考文献 生命とは何か、第2版、複雑系生命科学へ
  http://chaos.c.u-tokyo.ac.jp