概要 | 計算機の普及に伴い,研究・開発における数値的手法の利用が拡大している.また計算機の高性能化に支えられて,従来は数値的な取り扱いが困難とされていた問題に対しても様々なアプローチがなされている.例えば「不安定」な問題に対して,正則化・高精度な離散化・多倍長計算を組み合わせる高精度計算により,信頼性の高い数値計算を実現する枠組が整備されつつある.
講義は,数値計算の基本的な概念の解説から始める.幾つかの基本的な離散化やアルゴリズムを述べ,数値計算に特有の計算誤差に注意を与える.さらに,多倍長計算による高精度数値計算の適用例,工学・物理学分野への数値計算の適用例と課題を紹介する.
内 容:
1. 計算機での数値処理と基本的なアルゴリズム
2. 計算誤差と数値計算の信頼性
3. 高精度離散化と多倍長計算による高精度数値計算
4. 数値計算・高精度計算の応用例
参考文献:
一松信「数値解析」朝倉書店,1982.
伊理正夫,藤野和建「数値計算の常識」共立出版,1985. |