第8回吉田塾・数学入門合宿 (2010年9月8日〜10日)

主として理学部1、2 回生で数学に興味を持つ学生を対象とした合宿を行います。
自然に囲まれた環境での2泊3日の数学塾です。ふるってご参加下さい。

→ 締め切りました。

第8回吉田塾・数学入門合宿のお知らせ (PDF)

対  象:  京都大学理学部学生(主として1、2回生)
日  程:  2010年9月8日(水)〜9月10日(金) 2泊3日
  集合:9月8日(水)  午前10:00 京都大学理学部3号館 数学教室前
  解散:9月10日(金)  午後4:30頃 京都大学理学部
場  所:  京都府立ゼミナールハウス
(京都市右京区京北下中町鳥谷2)
費  用:  7,080円(宿泊費および交通費はGCOEから援助されるため不要です。)
定  員:  20名 *定員に達し次第締め切ります。
申  込:  7月30日(金)までに数学事務室に備え付けの申込書に記入して提出してください。
申込・問い合わせ先: 数学事務室(理学部3号館1階)
講  師: 

伊藤 哲史(京都大学大学院理学研究科数学教室・准教授)
「楕円曲線の有理点」
稲生 啓行(京都大学大学院理学研究科数学教室・講師)
「複素力学系入門」
* 講師の他にTA も参加します。


「楕円曲線の有理点」
伊藤 哲史(京都大学大学院理学研究科数学教室・准教授)

アブストラクト:
方程式 y2 = x3 + ax + b で定義された曲線を楕円曲線といいます.楕円曲線の有理点(座標が有理数の点)は,整数論における重要な研究対象です.フェルマー以来多くの数学者により深く研究されてきましたが,まだまだ未解決の問題も沢山あります.y2 = x3 - x の有理点は (0,0), (1,0), (-1,0) の3個のみですが,y2 = x3 - 4 には (5,11), (106/9, 1090/27), (785/484, 5497/10648),... など無限個の有理点が存在します.この2つの楕円曲線は,一体何が違うのでしょうか?もっと一般の楕円曲線では,どういうことが成り立つのでしょうか? この講義では,具体例の計算を通して,楕円曲線の不思議な世界を紹介します.

「複素力学系入門」
稲生 啓行(京都大学大学院理学研究科数学教室・講師)

アブストラクト:
力学系とは、時間に伴って発展する系のふるまいを数学的に調べる分野です。2次多項式 f(x) = ax(1-x) (1<4) の反復合成 (xn+1 = f(xn) という漸化式を解く、と思ってください) のような単純なモデルを考えても、そこから現れる現象は非常に複雑で、コンピュータで簡単な数値計算をするだけでもカオス的な (予測不可能な) ふるまいを見ることができます。さらに、これを複素数の範囲で考えると、ジュリア集合やマンデルブロ集合と呼ばれる、とても美しいフラクタル集合が現れます。この講義では、力学系とは何か、どのような興味を持って研究されているか、といった簡単な紹介から始めて、複素力学系の美しく複雑な現象を数学的に理解する為の基礎的なことについて解説します。