概要 | ランダムなポテンシャルを伴うSchroedinger作用素は
Anderson Hamiltonianと呼ばれ,不純物を含む結晶中の電子の状態を
記述するモデルとして盛んに研究されており,完全結晶では起こり
えない局在などの興味深い現象が起こることが知られている.
ここで,電子の運動を記述するのは双曲型の方程式であるが,対応する
放物型(拡散)方程式に関しても古くから研究されている.これは元々
Anderson Hamiltonianのスペクトルの研究に有用であることから始め
られた研究であるが,その後拡散粒子の局在自体が独立な興味の対象
となり,様々な設定で研究が進められている.本講演ではこの放物型
の問題について,その起源から最近の結果までを講演者の結果を
交えつつ概観したい. |