セミナー

発表言語 日本語
開催日 2012年11月30日 15時30分
終了日 2012年11月30日 17時00分
開催場所京都大学理学部3号館 (数学教室) 552号室
セミナー名関西確率論セミナー
タイトル Flow solution approach to infinite dimensional stochastic differential equations 
分野 解析
講演者名長田 博文
講演者所属九州大学大学院数理学研究院
概要干渉ブラウン運動とは、Euclid空間を互いに相互作用しながら運動する無
限個のブラウン運動粒子からなる確率力学系である。1970年代後半にLangによ
り、コンパクトサポートかつ滑らかなRuelleクラスの干渉ポテンシャルに対し
て、確率微分方程式の手法(Ito's scheme)による構成で研究の口火が切られ
た。その後、80年代前半にFritzにより、4次元以下の空間では非平衡解の構成が
行われた。しかし、無限個の粒子が集中する可能性を排除しつつ逐次近似を行わ
なければならないため、これらの、古典的手法の無限次元SDEへの直接な適用で
は、計算が難しく、また結果もきわめて限定的であった。
 この講演では、無限次元SDEに対する「flow solution」の概念を導入する。そ
の応用として、干渉ブラウン運動を記述する無限次元SDEの、強解の一意的存在
を示す。この結果は、確率幾何を用いて確率力学の結果を導くもので、(自明な
制約を除く)すべてのRuelleクラスポテンシャル、および、上述の確率幾何条件
をみたすCoulombポテンシャルに適用できる。とくに、Airy点過程を代表例とす
るランダム行列に関連する無限点過程に付随する、無限次元SDEの強解の一意的
存在を産み出す。
リンクhttp://www-an.acs.i.kyoto-u.ac.jp/~hino/probability/seminar/index_j.html