概要 | 良く知られている様に、シュレディンガー方程式のWKB解は、一般にプランク定数に関する発散級数となる。
完全WKB解析では、通常のWKB法の様にWKB解のプランク定数に関する展開係数を比較するだけでなく、
この発散級数解自体を考察の対象とする。これは、WKB解の接続問題を正しく議論するためには、
発散級数自体を扱わなければならないという考えの下、A. Vorosにより始められた。
このため、完全WKB解析ではWKB解のStokes現象の記述が重要となる。
本講演では完全WKB解析の基本事項を解説し、
更に青木-河合-竹井によるWKB解析的変換を用いた単純変わり点の解析に関して紹介する。 |