概要 | Gelfand tripletと呼ばれる、線形位相空間の3つ組上での線形作用素の
スペクトル理論を展開する。通常、作用素のスペクトルは、C上における
レゾルベントの特異点集合として定義されるが、Gelfand tripletを導入すると、
レゾルベントが複雑なRiemann面を持ちうる。そこで、Riemann面全体を
見渡した時のレゾルベントの特異点集合を一般化スペクトルと呼ぶ。
一般化スペクトルは、普通のスペクトルと同じくらい、作用素についての
重要な情報を持っており、これを用いることで従来は見えなかった現象を
捉えることができる。 講演では、これをいくつかの無限次元力学系やPDEの
解の安定性と分岐理論などに応用する。
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