概要 | 独立同分布確率変数列の部分和の挙動は、適当な正規化によりその分布が正規分
布に(中心極限定理)、より一般的には安定分布に収束すること、及びそのため
に元の確率変数の分布が満たすべき条件がよく知られている(domain of
attraction)。これと同様に確率変数列の部分最大項(極値統計量)の分布も適
当な正規化で非退化分布へ収束させることが出来る。この極限分布は極値分布と
呼ばれ、各極値分布に対して、(最大値)吸引領域が定まる。本講演では和に対
する吸引領域と比べ多様な裾挙動をもつ最大値吸引領域に属する分布について、
誤差の影響を中心に最近の研究結果を述べる。尚、極値理論の基本的事柄の説明
の後、本論に入る予定である。 |