概要 | 反応拡散系のTuring不安定性は、パターン形成のオンセットの解釈を与えることで知られる。すなわちInhibitorの拡散が大きいと、本来安定な一様な状態が有限波数で不安定化することでパターンの特徴的なサイズを説明することができる。一方、Inhibitorの時定数が大きいときにはInhibitorはActivatorに対して大域的な(負の)フィードバックを与える因子と考えることができ、従って系がActivatorだけの(しかし非局所項をもつ)方程式に帰着することができる。このようにして、Turing不安定化の別の見方をすることが可能である。このアイデアをある種の3変数反応拡散系に適用すると、同様に非局所項をもつ2種の方程式もしくは1種の方程式に帰着することが可能で、これにより説明される分岐現象のいくつかを紹介したい。 |