概要 | 木上 [Math. Ann. 2008] はSierpinski gasket
上に「測度論的Riemann構造」を導入し,適切な「Riemann体積測度」と測地距離の元で対応する熱核が上下からのGauss型評価を受けることを示した.これを受けて講演者は最近の論文[Potential
Anal., in press]
において,Varadhan型短時間漸近挙動を初めとする熱核の種々の短時間漸近挙動を証明した.
本講演では,この場合に対応するLaplacianのWeyl型固有値漸近挙動について得られた結果を紹介する.開部分集合上のDirichlet
LaplacianについてWeyl型の固有値漸近挙動が成り立ち,漸近挙動のオーダーは距離空間のHausdorff次元で,極限(漸近挙動の主要部)は次元Hausdorff測度(の定数倍)で与えられることを示す.さらにHausdorff測度は距離に関してAhlfors
-regularであるが,「Riemann体積測度とは互いに特異であることを見る. |