概要 | ユークリッド空間内に埋め込まれたグラフの各辺を棒材,
各頂点を節点と捉えることでグラフの剛性を定義することが出来る.
2次元の場合,Maxwellの条件によってグラフの一般剛性が組合せ論的に
特徴付け出来ることがLamanによって1971年に示された.しかしながら
3次元以上の場合においてはMaxwellの条件は十分ではなく,特に3次元
剛性の組合せ論的特徴付けは剛性理論における重要な未解決問題である.
TayとWhiteleyは1984年,分子フレームワークと呼ばれる特殊クラスに
関してはMaxwellの条件によってその3次元剛性が特徴付け可能ではないかと
予想した.分子フレームワークとは,グラフ理論における2乗グラフを
指しており,分子構造をモデル化した際得られるグラフとして応用上重要な
クラスであると認識されてきた.本講演では,この2乗グラフの3次元剛性に
対する最近の成果を中心に,離散構造物剛性の組合せ論的性質を紹介する. |