概要 | 力学系における双曲型不変集合の性質に関しては様々な結果
があるが、不変集合の双曲性の検証法は意外と知られていない。
有限次元においては、(講演者の知る限り)Hruska,Wilczak,
荒井の結果があるが、無限次元においては、不動点ですら、
双曲性の検証法が知られていないのが現状である。本講演では
無限次元力学系、とくに(自励的)放物型発展方程式が生成す
る力学系の不動点の双曲性の検証法を示す。結果を述べるため
の主要な道具はConley型指数であるが、その証明には関数解析
(スペクトル理論)、双曲型力学系理論を多く用いる。なお、
ここでの結果は既存の数値検証法(Zgliczynski-Mischaikow,
中尾理論)と非常に相性がよく、これらを組み合わせる事で双
曲型不動点の数値検証が可能である。最後に、検証例を簡単に
示す。
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