発表言語 |
日本語
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開催日 |
2011年04月13日 16時30分
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終了日 |
2011年04月13日 17時30分
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開催場所 | 京都大学数理解析研究所110号室 |
セミナー名 | 談話会 |
タイトル |
ランダム媒質中の対称マルコフ連鎖の挙動とそのスケール極限 (Behavior of symmetric Markov chains on random media and their scaling limits) |
分野 |
解析
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講演者名 | 熊谷 隆 |
講演者所属 | 京大・数理研 |
概要 | 本講演では、ランダム媒質中の対称マルコフ連鎖の長時間挙動に関する近年の研究動向を概観する。
ここで対象となるランダム媒質は、 や樹木上のパーコレーションクラスター、ランダムな
diamond hierarchical lattice、Erds-Rnyi のランダムグラフなどである。これらのランダム媒質は、
相転移現象を起こすモデルであり、我々は特に臨界確率近傍に於けるマルコフ連鎖の挙動に興味がある。
具体的には、以下の量を解析することにより、臨界確率近傍に於けるマルコフ連鎖の挙動の特殊性を浮き彫りに
する。
i) ランダムな粒子が半 の球から初めて脱出する時刻の平均
ii) ランダムな粒子が時刻 において出発点に帰ってくる確率
ii)は、マルコフ連鎖に対応する離散作用素のスペクトルに関係する量でもある。
上の単純ランダムウォークについては、i)のオーダーは であり、ii)の
オーダーは である。一方、 上の臨界確率におけるパーコレーション
クラスターに関しては、i)が であり(つまり拡散しにくい)、ii)が になるという
予想がある(Alexander-Orbach予想)。本講演ではこの予想に関する最近の結果を紹介する。
いくつかの具体例については、マルコフ連鎖のスケール極限についても議論を行い、また時間が許せば
これらのマルコフ連鎖のmixing timeについても言及したい。 |
備考 | ◆ 多数のご来聴をお待ちしております.
◆ とくに院生の出席を歓迎します. |
リンク | http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/seminar/danwakai.html |