発表言語 |
日本語
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開催日 |
2010年12月14日 15時00分
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終了日 |
2010年12月14日 16時00分
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開催場所 | 京都大学数理解析研究所402号室 |
セミナー名 | 第33回 GCOE tea time |
タイトル |
数え上げ論から量子確率論へ |
分野 |
代数 幾何 解析 その他
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講演者名 | 西郷 甲矢人 |
講演者所属 | 京都大学数理解析研究所 |
概要 | 量子確率論は、量子物理学の基礎概念を数学的に抽出したものである一方、古典確率論の「非可換化」を考える数学の一分野です。ここでは、確率論における「独立性」あるいは「中心極限定理」のアナロジーが重要になります。実は、このアナロジーは一意的ではなく、多様な独立性があり得ることが知られています。それらに対してある種の普遍性を要求すると、「可換独立性(通常のものの自然な一般化)」「自由独立性」「ブール独立性」「単調独立性」の4つが得られ,対応する「中心極限定理」は、それぞれガウス分布、ウィグナー半円則、ベルヌイ分布、逆正弦則を「極限分布」として成立します。
講演者は、これらの独立性および中心極限定理を統一的にとらえるために、極めて簡潔な組合せ論的方法を開発してきました。まず、「単調中心極限定理」にはこれまで簡潔な組合せ論的証明が欠けていたので、それを与えました。そこで導入した考えをもとに、長谷部高広氏との共同研究では、古典確率論および量子確率論で用いられてきた「キュムラント」とその類似概念の一般化を通して、(従来の意味でのキュムラントを考えることが不可能な)単調確率論に付随する「一般化キュムラント」を定義し、その存在・一意性を確立し、その系として単調中心極限定理および単調版「ポアソンの少数の法則」を証明しました。
一時間という短い時間ですので、どこまでお話しできるか分かりませんが、確率論的対象と組み合わせ論的対象とが非可換代数を通して結びつくことの(少なくとも講演者にとっての)興味深さをお伝えできれば幸いです。
キーワード:量子確率論、単調独立性、キュムラント |
備考 | 他分野の話を聞いたり、若手研究者と交流する良い機会ですので ぜひ参加してください。飲み物、おやつも用意する予定ですので、お気軽にお越しください。 |
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