セミナー

発表言語 日本語
開催日 2010年12月07日 13時30分
終了日 2010年12月07日 14時30分
開催場所京都大学数理解析研究所402号室
セミナー名第32回 GCOE tea time
タイトル 自己相似フラクタル上のLaplacian・熱方程式 
分野 幾何
解析
その他
講演者名梶野 直孝
講演者所属京都大学情報学研究科
概要フラクタルとは滑らかな図形で近似することが不適当な「粗い」構造を有する図形をいい,その自然科学における重要性がB. B. Mandelbrotにより指摘されて以来フラクタルは理論・応用の両側面から盛んに研究されてきた.解析学の立場からは,熱や波動の伝播といった物理現象を数学的に厳密に記述する為にフラクタル上における熱方程式・波動方程式の定式化とその解析という問題意識が持ち上がり,近年までに様々な研究成果が得られている.現在までの研究は「自己相似フラクタル」と呼ばれる,理想的な自己相似性を有するフラクタルを主な対象としてきたが,そのような理想的な状況においてさえ研究の進展には様々な困難があり,基本的な未解決問題が数多く残されている.

本講演では代表的な自己相似フラクタルとしてSierpinski gasketとSierpinski carpetを例にとり,その上でどのようにしてLaplacianや熱方程式を定義するか,またLaplacianの固有値・固有関数や熱方程式の解の性質についての既知の結果などを解説する.特にフラクタルに特有の現象として,熱核の劣Gauss型評価や固有値・熱核の振動などの事実を重点的に説明するつもりである.
備考他分野の話を聞いたり、若手研究者と交流する良い機会ですので ぜひ参加してください。飲み物、おやつも用意する予定ですので、お気軽にお越しください。