概要 | 代数曲線上の代数的な直線束のモジュライ空間であるピカール群上には
テータ因子があり、それに付随する直線束の大域切断はテータ関数で与えられる。
これの非可換類似として、代数曲線上のベクトル束のモジュライ空間上の
行列式直線束の大域切断を一般テータ関数と呼んだりする。
代数曲線上で、階数の異なるベクトル束のモジュライ空間を二つ考えるとき、
それらの上の一般テータ関数のなすベクトル空間が双対になることがあり、
この現象をstrange dualityと呼ぶ。
もっとも代表的な例は、代数曲線上の$SL(r)$束のモジュライ空間上の
レベル$n$の一般テータ関数の空間と$GL(n)$束のモジュライ空間上の
レベル$r$の一般テータ関数の空間が双対と言うものであり、
これはBelkale, Marian-Opreaによって証明された。
この他にも$Sp$束や例外型代数群束のモジュライ空間に対しても
stragne duality が観察されている。
また次元を上げて、代数曲面上のベクトル束のモジュライに対しても
近年strange dualityが見つかっている。
講演ではこれらさまざまな場合のstrange dualityを紹介したい。
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