セミナー

発表言語 日本語
開催日 2010年11月17日 15時00分
終了日 2010年11月17日 16時00分
開催場所京都大学理学部3号館 (数学教室) 110講演室
セミナー名大談話会
タイトル ヒルベルトの第14問題と不変式環に対するフェアリンデ型公式 
分野 代数
幾何
解析
その他
講演者名向井 茂
講演者所属京大・数理研
概要m次正方行列が与えられるとそれの生成する1パラメータ群が得られ,それに関して不変なm変数多項式の全体,すなわち,不変式環が定まります.この環はいつも有限個の多項式で生成されます.例えば,(m-1)次方程式の「半不変式」は最も古くから知られている例で,2次方程式ax^2+bx+c=0 の場合ですと不変式環は最高次のaと判別式b^2-4acで生成されます.これを一般化して,n個の可換な正方行列より得られるnパラメータ群に関して不変な多項式の全体がいつも有限個の多項式で生成されるかという問題が考えられます.これが,本来のHilbertの第14問題の,特別ですが本質的な部分です.Hilbertの楽観を覆して,永田はn=25の時に反例を与えましたが,その後の改良によって,現在では3パラメータ群で反例が構成されています.しかし,2パラメータ群で有限生成かどうかは未解決です.全体を展望した後,2パラメータ群の不変式環の二つの例を説明します.どちらも有限生成であるだけでなくVerlinde型の次元公式が成立しているのが著しいです.古典的なCayley-Sylveter公式のaffine Lie代数版というべきもので,これがどの程度一般の場合に成立するかが上の未解決問題の解決の鍵になるのではないでしょうか?
リンクhttp://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/seminar/danwakai.html