セミナー

発表言語 日本語
開催日 2010年07月13日 15時00分
終了日 2010年07月13日 16時00分
開催場所京都大学数理解析研究所402号室
セミナー名第27回 GCOE tea time
タイトル 斜積拡散過程とその時間変更 
分野 解析
その他
講演者名嶽村 智子
講演者所属京都大学数学教室
概要 時間の経過に伴ってランダムな値をとる系を表す確率過程は、粒子の運動を数学的にモデル化したものとして捉えることができる。その様な確率過程の中で、過去の情報に依らずに現在の情報のみが未来に影響をする過程をマルコフ過程という。本講演では、マルコフ過程の中でも標本路が連続である拡散過程を取り扱う。特に斜積拡散過程という、独立な二つの拡散過程の一方の過程がもう一方の過程の時間を支配するものに着目する。d次元ブラウン運動がブラウン運動の長さにより定義されるベッセル過程と球面上のブラウン運動の斜積により表現されることを紹介し、ここでは一次元拡散過程と球面上のブラウン運動の斜積拡散過程について得られた結果を紹介する。
 本講演では拡散過程に対応する二階微分作用素や平均で定義される半群、またディリクレ形式にふれ、斜積拡散過程だけでなく時間変更によって得られるジャンプや消滅も起こりうる過程に対応するディリクレ形式についても具体的に与えたい。
 本研究は、連続な標本路をもつ過程の列をある仮定のもと極限をとると極限では連続でないものが現れるという点が自身の一番興味深い所ではあるが、今回はその点に焦点をあてず、斜積拡散過程とその時間変更に対応するディリクレ形式について講演を行う。
備考他分野の話を聞いたり、若手研究者と交流する良い機会ですので ぜひ参加してください。飲み物、おやつも用意する予定ですので、お気軽にお越しください。