概要 | 素数の集合 S と体 k 上の代数多様体 X に対して, X の幾何学的副 S 基本群
から k の絶対 Galois 群への自然な全射の切断を X の副 S Galois 切断という.
Grothendieck は, S が素数全体の集合, k が有理数体上有限生成な拡大体, X が k 上
の固有な双曲的曲線であるならば, X の k 有理点のなす集合から副 S Galois 切断
の共役類のなす集合への自然な写像は全単射になるだろうと予想した. 本講演では,
この Grothendieck による遠アーベル切断予想の副 p 版の反例, つまり, そういった
双曲的曲線の非幾何学的な副 p Galois 切断の存在について議論をする. |