概要 | Bershadsky-Cecotti-大栗-Vafaは楕円的Gromov-Witten不変量の複素幾何学
における対応物として、解析的捩率を用いて構成されるBCOV不変量を導入した。
BCOV不変量が厳密に計算されている例はまだ少数であり、5次超曲面のミラー
の他に幾つかのBorcea-Voisin多様体がある。
BorceaとVoisinは対合付きK3曲面と楕円曲線の直積から適当な方法で得られる
3次元Calabi-Yau多様体のミラー構成法を与えたが、彼等の構成法が適用できない
例外の場合がある。今回の講演では、例外型Borcea-Voisin多様体のBCOV不変量が
Del Pezzo曲面のKaehlerモジュライ上の具体的な保型形式として表示できることを
紹介する。これらの保型形式は奇ユニモジュラー格子とある楕円モジュラー形式に
付随するBorcherds積として表示される。 |