セミナー

発表言語 日本語
開催日 2009年12月10日 10時30分
終了日 2009年12月10日 12時30分
開催場所京都大学理学部3号館 (数学教室) 552号室
セミナー名表現論セミナー
タイトル Path model for extremal weight modules over quantum affine algebras of infinite rank. 
分野 代数
幾何
解析
講演者名佐垣 大輔
講演者所属筑波大
概要 Littelmann は, 1994年と1995年の論文において,
Lakshmibai-Seshadri (LS) パスの概念を導入した:
対称化可能な Kac-Moody リー環 g の整ウェイト
与えられたとき, 型 の LS パスとは, 閉区間 [0,1]
から (Cartan 部分代数 h の実形 の双対空間) への
区分的に線形で連続な写像であって, を通る Weyl 群
軌道に関するある組合せ論的な条件を満たすもののことである.
さらに Littelmann はルート作用素と呼ばれる写像を定義し,
それを用いて型 の LS パス全体の集合 B
クリスタルの構造を与えた. その後, Kashiwara と Joseph に
より, が支配的整ウェイトである場合は B
最高ウェイト の既約最高ウェイト 加群の
結晶基底に同型であることが証明された.

今回のセミナーでは, LS パスの定義や基本的な結果について
簡単に解説した後, , , 型の
"infinite rank affine Lie algebra" (Kac の教科書の7.11節
参照) に対する LS パスについて考察し, 次の定理を述べる:

[定理]
g を , , の infinite rank
affine Lie algebra とし, を g の (支配的とは限ら
ない) 整ウェイトとする. このとき, 型 の LS パスの
なすクリスタル B は, extremal ウェイト
の extremal ウェイト 加群の結晶基底と同型である.

それから, LS パスのなすクリスタルのテンソル積
B Bの (連結成分への) 分解則
についても議論しようと思う.