セミナー

発表言語 日本語
開催日 2009年12月04日 13時00分
終了日 2009年12月04日 16時00分
開催場所京都大学理学部6号館609号室
セミナー名京都力学系セミナー
タイトル 負曲率多様体に対する半古典ゼータ関数の零点分布について 
分野 幾何
解析
講演者名 辻井 正人
講演者所属九州大・数理
概要 負曲率多様体上の古典自由粒子の運動をあらわす測地流はアノソフ流
であり,カオス的な力学系の典型例としてよく知られている.半古典
ゼータ関数(Gutzwiller-Vorosゼータ関数)はその周期軌道につい
ての無限積(オイラー積)として定義される古典力学的な対象である
が,量子カオスの半古典論によれば,多様体上のラプラス作用素の固
有値は(絶対値が大きくなる極限において)半古典ゼータ関数の零点
と関係づけられることが期待されている.実際,定曲率の場合は半古
典ゼータ関数はセルバーグゼータ関数と一致し,このことはセルバー
グの有名な結果として知られている.しかし,定曲率でない場合には
半古典ゼータ関数について知られていることは多くない.この講演で
は力学系・エルゴード理論の立場から,転移作用素のスペクトルを分
析することで,半古典ゼータ関数にどこまで迫れるかということにつ
いて述べたい.
リンクhttps://www.math.kyoto-u.ac.jp/dynamics/