概要 | Alexandrov空間とは,曲率が下に有界な距離空間である.
これは1950年頃にA. D. Alexandrovによって導入され,
Burago,Gromov,Perelmanによりその現代的な基礎が確立された.
断面曲率が下に有界なリーマン多様体の列のGromov-Hausdorff極限は
Alexandrov空間の典型例であり,断面曲率がある定数以上の
リーマン多様体を調べるのにAlexandrov空間の研究が役立つ.
また,曲率という概念の本質をとらえたいという観点からも,
Alexandrov空間の研究は重要であると考えられる.
本講演では,Alexandrov空間上の幾何解析の研究を概観して,
最後に「Cheeger-Gromoll型の分割定理」について説明する. |