セミナー

発表言語 日本語
開催日 2009年11月03日 13時00分
終了日 2009年11月03日 15時00分
開催場所京都大学理学部3号館 (数学教室) 305号室
セミナー名整数論講演
タイトル anticyclotomic p進L関数 
分野 代数
講演者名千田 雅隆
講演者所属京大・理
概要 この講演では近年 Bertolini と Darmon らによって発展を続けている
志村曲線のp進一意化を用いた楕円曲線に対する(anticyclotomic)
p進L関数の研究の紹介を行います.
この分野に興味を持つ大学院生や非専門家にも分かるように, 必要な
予備知識はできるだけ講演の中で補足を加える予定です.p進L関数の
入門からはじめて,Birch,Swinnerton-Dyer 予想のp進類似が
どのように定式化されるのかを解説します.
その後,四元数環から定まる志村曲線とその上に定義される Heegner 点
について説明を行い,p進一意化理論を用いて Heegner 点がどのように
記述されるかという話題に進んでいく予定です.
連続講演の終盤では,これらの結果のp進 Gross-Zagier 公式や
例外零点予想への応用について述べるつもりです.また,時間が許せば
Heegner-Stark 点などの最新の進展についても触れたいと思います.

教科書・参考文献
・H.Darmon, Rational points on elliptic curves, CBMS Regional
Conference Series in Mathematics, 101.
・M. Bertolini and H. Darmon, The p-adic L-fnctions of modular
elliptic curves in 2001 and Beyond, Springer-Verlag, 2001
・楕円曲線に関しては日本語で読めるものとしては
黒川信重・栗原将人・斎藤毅著,『数論II --岩澤理論と保型形式--』,
岩波書店, 2005.
の第12章を挙げておきます.
リンクhttps://www.math.kyoto-u.ac.jp/~tetsushi/seminar/2009chida.html