概要 | 株式オプションなどのデリバティブの価格計算に用いる株価変動モデル
として最も有名なものは,Black-Scholes モデル(幾何
Brown運動モデル)であ
るが,このモデルにおけるボラティリティが期間中ずっと定数である
という仮定
が,現実の株価データと合わないと批判される.モデルを現実により
近付けるた
めに,様々な改良や拡張が行われてきた.
本報告ではまずそれらの拡張/改良モデルについて簡単なレビュー
を行い,さらに
Takaoka(2004) で提唱した1つの拡張モデルついて解説する.このモ
デルは,
様々な分散パラメータの幾何 Brown 運動の重み付き平均を
取ったものである
(分布を重ね合わせたものではない).均衡論的な議論からのモデル
の導出や、
モデル化に用いた確率過程の数学的性質、さらにこのモデルに基づく
オプション価格計算などについて説明する。
一部は二見英徳氏(東京海上日動火災)との共同研究である. |