概要 | 自由群の自己同型群は,Dehnや
Nielsenらによって,曲面の写像
類群等との関連から研究され始めた群である.近年では,曲面の
写像類群の研究で発
展してきた理論の類似物を構築するという研究が活発であり,Johnson
準同型の理論
もそのうちの一つである.Johnson準同型とは,端的に言え
ば,Johnson filtrationと
呼ばれる,自由群の自己同型群のある正規部分群の列に対し,
その各次数商の情報を記述するものである.これは,言わば自由
群の自己同型群の逐
次近似を考えることであり,そのホモロジー群を研究する上でも
重要な役割を果たす.
本講演では,Johnson準同型の定義から始めて,特にその全
射性について考察し,最近
得られた結果について紹介する予定である. |