概要 | ランダムウォークの軌跡の構造を調べる問題は、確率論において基本的な問題のひ
とつである。その構造を解明するアプローチの仕方は数多く存在するが、本講演では
軌跡の上のカットポイントと呼ばれる点に注目する方法を考える。ここで軌跡上の点
がカットポイントであるとは、その点を通過すまでの過去の軌跡と通過後の未来の軌
跡が交叉しないことをいう。結果としてランダムウォークの軌跡は、カットポイント
によりお互いに交わらないいくつかのパスに分離されることになるが、それぞれのパ
スの構造を理解することは軌跡全体の形状を研究する上で重要となる。本講演ではこ
れまでの研究で解明されていることや今後の課題をわかりやすく説明したい。 |